2009.10.29
『子どもはぜんぜん、悪くない。』
子どもはぜんぜん、悪くない。 (2005/04/21) 佐藤 弘道 商品詳細を見る |
この本の最初の印象は、タレント本みたい。
著者の佐藤弘道さんは、
NHK『おかあさんといっしょ』の「体操のおにいさん」。
12年間続けた「体操のおにいさん」を辞めて、
次のステップへという時に書かれたのが、この本だ。
第1章は、「体操のおにいさん」としての
12年間の思い出。
第2章は、「僕は、こんなふうに育ってきました」
“ひろみちおにいさん”になるまでの
彼の生い立ち、家族のことが書かれている。
「子どもに信用される親になりたい」と
家業の焼鳥屋さんが忙しい中で、
「校門で待っているから」という約束を守りきったところだ。
簡単なことではない。
でも、こうした覚悟が親にいる。
第3章は、子ども15万人、僕の定点観測から
~番組を通して感じたこと、僕の「子ども論」
ここはさすが!と思わせる。
“日本中の子どもが幸せになってほしい。
僕の仕事は「子どもと向き合うこと」”というだけのことはある。
撮影の現場で、子どもが親から離れられないのは、
親と子の信頼関係が薄れているからではという。
現場で、たくさんの子どもと関わってきたからこそいえることで、
説得力がある。
第4章は、「大人がもっとがんばらなくちゃ」は
彼が一番伝えたいメッセージ。
「子どもはぜんぜん、悪くない」と中見出しに使っている。
親が子どもを心配して、先回りしたり、過干渉することに
疑問を投げかける。
小さいステップでも、できなかったことができるようになる。
このことで、子どもたちは自信をつけている。
その機会を、先回りと過干渉は奪っているのだと、実例をあげて説く。
また、「自立」と「放りっぱなし」の違いも説く。
いちいち、そのとおりとうなずいた。
難しい学者の本でないので、気軽に読める。
本の体裁も、それを狙って、写真がいっぱいなのだと思う。
子育て中のお母さん、というより子育中のお父さんに、
読んでもらいたいと思った。
それにしても、ひろみちおにいさんの雰囲気って、
画面から感じられたままの、
明るい、気持ちのいい人なんだなと感じた。
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